これは子どもと教師との出会いと語り合いの記録であると同時に、
子どもと教師をめぐる再生の物語(ドラマ)である。
「でも、君はこうやってここにいる。それが何よりも大切なことだ」(本文第四章より)
本書は、兵庫県西宮市の小学校教員である著者と子どもたちが、作文を通して心をかよわせていく物語です。
著者がどの子に対してもあたたかい「語りかけ」を行い、子どもたち自身に考えさせているところが印象的です。人のこととしてではなく、自分のこととして考える。また、そういった子どもたちの思いを真摯に受けとめる著者のやさしい気持ちが、じーんと伝わりその情景が浮かんでくるようです。一歩一歩成長していく子どもたちと、その隣で見守る著者。本書を読んだあと、やさしい気持ちになれます。
○本書の目次○
はじめに ~小梨平にて~
第一章 そっとやさしい甲子園の土
第二章 やがて雲間から陽光(ほほえみ)こぼれ
第三章 美しい風景が見える
第四章 あの頃のボクには戻りたくない
第五章 いつまでも色褪せないもの
おわりに ~ふたたび小梨平にて~