本書は、今年96歳になる著者が、極貧の紀州の炭小屋から、満蒙開拓義勇軍として満州へわたり、終戦を迎え、3年のシベリア抑留を経て奇跡の引き揚げを果たした壮絶な半生の記録である。
生死の先をさまよった満州からの逃避行、そして収容所への地獄の行進、収容所での過酷な生活を経験した生き証人としての貴重な経験、引き揚げ後、満州で結婚し、先に帰国を果たしていた妻の大きな支えで、生きる力を取り戻してゆく道のりをかいたものである。
洞口 一二
四六判
138頁