1942年に青年開拓義勇隊員として14歳で満州へ渡った少年が、その後16年にわたり中国に残留し、日本に帰国したのち、日中友好に尽力した体験記。
著者は、零下50度まで下がる極寒の地での訓練と開拓地での生活、1945年8月9日ソ連軍侵攻に始まる壮絶な逃避行をへて、1958年に帰国するまで、得意のそろばんを生かし新生中国発展の一翼を担うという稀有な体験をし、帰国後は、農協に勤め、地域の子どもたちにそろばんを教え、日中友好の懸け橋となった。
今、日本と中国の間に横たわる、歴史認識問題も含めた様々な問題に、少しでも証言的役割を果たしたいとの思いから出版したものである。