「神はそもそも人であった」と考える古代史ファンの著者が浮き彫りにする、今まで知らされてこなかった古事記・日本書紀に載る神や人々の原像と、古代の実態とは。著者によると記紀は天武天皇の日本朝開朝までのいきさつを教えるために創作された公定史書で、その種本は帝の出生地・下関市小戸の伝承だと仮説。関門海峡にある彦島という小さな舞台で起こった出来事を日本各地でのエピソードとして編纂された、という今までにない切り口で記紀を読み解く。古代史ファンにはもちろん、今まで記紀を読んだことのない人にも手に取っていただきたい1冊である。
目次
第一章 記紀とは何か―独り楽しむわが史観
第二章 イザナギ神は下関市の小戸で禊をした
第三章 イザナミ神を取巻く真実
第四章 三人の天照大神―トリ氏で描いた神代譜
第五章 神武東遷はなかった―磐余彦は彦島のイ地区のハ集落生まれの勇者
第六章 欠史八代帝と初国知らすの真実
第七章 四人の倭健
第八章 正確だった推古紀
第九章 皇極帝と孝徳帝、その幻像
第十章 「阿麻来服」と日本国の誕生