東日本大震災から、来年3月で早10年を迎えようとしている。
本書は、福島第一原発事故をめぐっての報道から、何故世界有数の地震国火山国である日本に40基を超す多数の原発が導入されたのか、何故、スリーマイル島、チェルノブイリでの大事故あったにもかかわらず、日本の原発は「安全神話」に基づき十分な安全対策が立てられないまま運用が続けられてきたのかを明らかにしている。
そして、事故後の政府の対応、東電他電力会社の対応を、原発差し止め裁判、避難者損害賠償請求訴訟の裁判の経緯や判決と、直接東電幹部が刑事責任を問われた裁判の内容から詳しく検証し、国内での原発の稼働状況、今後の原発のありようを考える一助にしてほしいと考える。