政治の場で、憲法や道徳教育の問題が議論されるとき、たびたび持ち出される「教育勅語」。
本書はその思想のバックボーンを記紀などの神話の分析も通して明らかにしようと試みたものである。
一方、明治以降の有司専制の言論弾圧に明け暮れた64年間とは対照的なものとして、聖徳太子と推古天皇の治世を挙げ「十七条憲法」が説いた、「十全の議論を尽くしての和」について詳しく解説している。
改憲勢力・「日本文化の優位性」を声高に訴える勢力の、思想の源泉を明らかにしようとする書である。
A5判
336頁